外国人の雇用と就労ビザの情報発信オフィス

外国人を雇用したい会社様、日本で仕事をしたい外国人の方に外国人雇用と就労ビザについて分かりやすくお伝えするブログです。

外国人雇用の注意点:不法就労させない

外国人雇用と就労ビザ申請を専門としている行政書士の秋山です。このブログは、外国人の雇用と就労ビザについての情報を発信し、読んで頂いた方に「分かり易かった」と言って頂けることや、お役に立てることが目標です。どうぞよろしくお願いします。

 

「外国人を雇用するのですが、何に注意すれば良いですか?」このご質問もよくあります。 今回のブログでは外国人雇用の注意点の最重要となる「不法就労させないこと」についてお伝えしたいと思います。「不法就労」とはどのような就労を言うのか?そして、「不法就労させない」ためには、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか?

 

1,外国人雇用の関係者は不法就労の基礎知識が必要

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不法就労」と言えば、8月13日に東京の行政書士と人材派遣会社が、不法就労助長と虚偽申請の疑いで逮捕されたというニュースがありました。

https://www.asahi.com/articles/ASP8F4FCZP8FUTIL009.html (朝日新聞デジタルより)

 

弊所では、外国人雇用と就労系ビザに特化している為、お仕事をお探しの外国人の方、会社の雇用主や採用担当の方、そして人材派遣や人材紹介会社から就労ビザや外国人雇用についてのご相談等が中心業務です。

 

ご相談にのっていて共通することは、就労ビザや外国人雇用に関してしっかりとわかっている方が少ないという事ということです。やはり、実際に外国人の雇用に関係しなければ外国人雇用も外国人の就労ビザも身近なことではありません。ですので、外国人の雇用や就労ビザに関する知識がなくても当然です。

 

ですが、実際に外国人雇用に関わることになれば「不法就労」についての知識は必要な知識です。是非このブログをご覧頂き、基礎的な知識だけでも知っておいて頂ければと思います。外国人の雇用や不法就労に関してはご相談頂ければ詳しいご説明や講習も致しておりますので、是非お気軽にお問い合わせ下さい。

 

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2,不法就労とは?

まず、「不法就労」とはどのような就労を言うのでしょうか?

以下の3つのパターンは代表的な不法就労のパターンです。

 

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1,不法滞在者等が就労する

2,就労できない在留資格の人が資格外活動許可を得ずに就労する

3,在留資格で就労を認められた範囲を超えて就労する

これらのような状態を不法就労といいます。

 

この3つのパターンのうち、2と3は外国人雇用についての知識があまりない場合に知らずに不法就労をしてしまっているケースです。特に3のケースは複雑で、「認められた範囲」の認識がない、或いは、判断が難しいから起こってしまうと思われます。この「認められた範囲」は就労ビザの種類によって違うので分かりにくいのかもしれません。

 

例えば、「特定技能」ビザで業務が可能な仕事の内容でも「技術・人文知識・国際業務」ビザでは業務できない仕事の内容があります。違う種類のビザで仕事する外国人従業員がいる場合は注意が必要となります。不安な場合は外国人雇用に詳しい専門家(行政書士や弁護士)に相談しましょう。

 

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3,不法就労の代表的な3つのパターン

不法滞在者や被退去強制者が働く

・退去強制されることが決まっている人が働く

・在留期限の切れた人が働く

密入国した人が働く

①の場合は、上記のように日本にいてはならない不法滞在者が働くケースです。

 

出入国在留管理庁から就労許可を得ていないのに働く

・観光など短期滞在目的の人が働く

・留学生の人等が資格外活動許可を受けずにはたらく

②の場合は上記のような事例です。

よくあるのは、知り合いの会社が留学生を雇っている、だから自分の会社でも雇おうと思い気軽で雇ったら資格外活動許可を持っていない留学生だったというケースです。(不法就労させていたことになります)

 

出入国在留管理庁から認められた就労許可の範囲を超えて働く

・留学生が許可された時間数を超えてアルバイトをしている。

このケースは就職活動に影響してきます。就職活動時、内定をもらってもこのオーバーワークがあったために内定取り消しが起こるということもありますのでご注意ください。

・外国料理店の調理師や語学学校の通訳をしている外国人が工場やコンビニで単純労働者として仕事をする

技能実習生が認められた就労先以外の就労先で仕事やアルバイトをする

 (ニュース等でよく聞く、決められた就労先から行方不明となり別の就労先で仕事をするなどもこのケースに含まれます)

・技術職や専門職で認められたオフィス内での仕事ではなく現場で肉体労働作業を強いられる

 

③の場合は上記のような事例ですが、よくあるのは、外国人から「就労ビザ」を持っている、期限も有効であると言われたので雇ったが、実は知らずに入管局から認められた業務以外の仕事をさせていたケースです。

 

このケースでは、「就労ビザ」ならどんな仕事でもできると思っていたという会社の責任者や人事担当者がいらっしゃいますが、就労ビザ」(就労系の在留資格)は種類ごとに可能な業務が違うので、そのことを覚えておいて頂く必要があります。

 

以上が、不法就労でよくあるパターンになります。

もし、会社側が外国人を不法就労させたり、不法就労のあっせんをすると、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはその併科の対象になります。たとえ会社側が確認不足や認識不足で過失により不法就労させてしまった場合でも、処罰を逃れることはできませんので十分にご注意ください。

 

不法就労」は教えてもらわないと知ることができない場合もありますので、不安な場合は外国人雇用に詳しい専門家(行政書士や弁護士)に相談しましょう。

 

なお、現在はコロナ禍で、入管局(出入国在留管理庁)でも新型コロナウイルス感染症に関する外国人の在留諸申請や生活について支援策をとっております。

 

www.moj.go.jp

 

事情を考慮してもらって入管局に許可してもらえた場合は、決められた仕事以外でも出来る場合があります。困った場合は入管局や外国人雇用に詳しい専門家(行政書士や弁護士)に相談しましょう。ですが、くれぐれもご注意頂きたいのは勝手に判断して入管局の許可を得ずに許可された以外の仕事をすることです。後々問題になり取り返しのつかないことになる場合もありえますので事前に入管局や専門家にご相談ください。

 

 

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4-1,不法就労させないために:一番間違いやすい「職種」について知る

①職種によって取得すべき就労ビザ(仕事ができる在留資格)が違う

ビザの種類ごとに仕事内容も違いますし、許可された仕事範囲が違います。許可された仕事範囲外の仕事はできません。このことをよくご理解下さい。もしかしたら、入社後に配置転換で職種が変わったりする場合があるかもしれません。そのときはビザの種類を変更する場合があるかもしれないということです。日本人のように気軽に配置転換できないのでご注意ください。

すでに就労系の在留資格を持っている外国人を雇用する場合は特に注意する

「すでに就労ビザをもっている外国人だからビザ取得の手間が省けてよかった」と思われる雇用主の方は少なからずいらっしゃいますが、「すでにビザをもっている外国人材にこそ注意が必要」です。なぜなら、その外国人がもっている就労ビザは、以前の会社で取得した以前の会社での業務に合わせて取ったビザだからです。つまりは「以前の会社で従事する以前の業務」の為の就労ビザだからです。

 

就労系のビザをもっている外国人は「許可された仕事しかできない」という就労制限があるため注意が必要と上記致しました。ビザ(在留資格)はただ持っていれば良いというものではなく、現に従事している職種に合致した就労可能なビザを入管局(出入国在留管理庁)で許可してもらって、その仕事をする必要があります。

 

ですから、別の会社で仕事していた外国人を中途採用した場合、その外国人が貴社で仕事できるかどうかはわからないということになります。もし、転職してきた外国人が貴社の仕事に合うかどうかを確認したい場合は、就労資格証明書交付申請を行い「就労資格証明書」を取得することをおすすめします。

 

就労資格証明書とは、雇用予定の外国人の大学等、専攻科目や経歴、貴社の登記事項証明書や会社案内、財務内容を証明する書類を入管局に提出して、審査してもらいその外国人が「現在の在留資格就労ビザ)で自社でも仕事ができる」ということを証明した書面です。この書類で認められたら安心して貴社で働けます。

 

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4-2,不法就労させないために:採用面接時に在留カードを確認する

外国人を採用した時最低限確認すべきものは以下となります。これらは必ず原本を確認します。

・パスポート

在留カード

在留資格の種類と在留期間満了日を確認する)

在留カードにある在留資格で、貴社での仕事が出来るかどうかの判断に迷ったときは専門家にご相談ください。

有効期限の残りがあるし、前の会社と同じ仕事だから大丈夫と思っていて、更新手続きの時になって更新できず「不法就労」になってしまっていたということもありえます。ご注意ください。

・資格外活動許可の有無在留カード裏面)

※留学生や家族滞在の在留資格外国人をアルバイトで就労させる場合は、裏面の資格外活動許可の欄に

「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」

と書かれていれば、時間内のアルバイトは可能です。

 

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5,不法就労させないために:まとめ

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基本ポイントとしては、職種によって取得すべき就労ビザ(仕事ができる在留資格)が違うため「在留資格で就労を認められた範囲を超えて就労してはいけないのだ」ということでした。そして、すでに就労系の在留資格を持っている外国人を雇用する場合は特に注意が必要でした。最後に、採用面接時には在留カードを確認することも忘れないようにお願いします。

「外国人雇用」は個別具体的な判断が必要な事です。迷った時や不安になった時は自己判断せず、必ず専門家や入管局にご相談くださいね。

 

行政書士には守秘義務がございますので安心してご連絡下さい。

このブログが、読んで下さった方のお役に立てれば幸いです。

 

 

初めての外国人雇用、何から始めたら良いですか?

外国人雇用と就労ビザ申請を専門としている行政書士の秋山です。「初めての外国人雇用は何から始めたらいいですか?」とご質問されると、お答えすることが難しいです。 

それはご質問される方や会社によってご事情が違いますし、「外国人雇用」についての認識もそれぞれだからです。どこから、どんなふうにご説明すれば分かり易いか?

お客様にご事情を伺って、お客様にご説明して「分かり易かった」と言って頂ければ、大変嬉しく、やりがいを感じます。このブログでも外国人の雇用と就労ビザの情報を分かりやすく発信していきます。

 

 

1,初めての外国人雇用、何から始めたら良いですか?

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「初めての外国人雇用、何から始めたら良いですか?」と、よく聞かれます。これは大変難しいご質問です。というのは、その質問をされる方によって、どのくらい外国人雇用についてご存じか、が違います。

そして、会社や雇用する人材の方ごとにもご事情が異なりますので、お話する内容が違ってきます。「外国人雇用」は一人一人、一社一社によって様々なので、それらを加味して、お話しなければならないため回答は難しくなります。また、同じ案件でもご相談に来られた方が会社側の方か、外国人の方か、によってもアドバイスは違ってきます。

 このように外国人の雇用で就労ビザを取ろうとする場合には考えるべきことが細分化しています。ですが、一社一社、一人一人の事例を挙げることは、この場では難しいのです。

ですので、今回は「初めて外国人を雇用する場合に特に考えなければならない点」の二つの大きなポイントと四つのパターンのお話をできるだけ分かり易くお話しさせて頂きます。それと代表的な就労系ビザのについて少し触れておきます。

もし今回のお話より更に詳しく、個別具体的にお知りになりたい場合はどうぞお気軽にお問い合わせください。

尚、今回お話する「外国人の雇用」は正式雇用のお話です。アルバイト((週28時間以内)資格外活動許可欄「許可」)の採用ではないことにご留意ください。

 

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2,初めて外国人を雇用する場合に特に考えなければならない点

①「外国人材にどんな仕事をしてもらうか」と何の種類の「就労系ビザ」を取るかを考える

Ⅰ就労系ビザの基本的な考え方

外国人を雇用する場合に、まず考えなければならないことは「どんな仕事をしてもらうのか?」です。外国人に就労してもらう場合、就労系の在留資格(通称:ビザ)を取得しなければなりませんが、ビザの種類によってできる仕事とできない仕事があります。

ですので、まずはどんな仕事をしてもらうのか決めて、その仕事にあった就労系のビザを取得しなければなりません。

出入国在留管理庁(入管局)の在留資格一覧表にも「本邦において行うことができる活動」

とあるように各ビザ(在留資格)は日本でできる活動(就労資格)が決まっており、就労系ビザは入管局で認められた仕事しかできません。また、これらの就労系のビザにはそれぞれの取得要件が違います。この認識が一番重要なことです。認められている仕事以外をすると不法就労になってしまうので、外国人材にしてもらう仕事には十分気を付けて下さい。

Ⅱ代表的な就労系ビザ

 以下はよく取得されている就労系ビザ(在留資格)です。

「技術・人文知識・国際業務」ビザ、

技能実習」ビザ、「特定技能」ビザ、

「介護」ビザ、

「特定活動46号」ビザ、

「技能」ビザ、

「高度専門職」ビザ

「経営・管理」ビザ、

「企業内転勤」ビザ等

 

このうち当事務所で良くご依頼・ご相談頂くビザを簡単にご紹介します。

・「技術・人文知識・国際業務」ビザ

最も一般的な就労ビザの代表といえる、よく取得されているビザです。専門知識を活かした事務系のビザです。

・「介護」ビザ 

2017年9月1日から施行されたビザで、介護福祉士養成施設を卒業して介護福祉士国家資格を取得した留学生が取得するパターンが比較的多いです。

・「特定技能」ビザ

日本の深刻な人手不足対策に対応するため2019年4月に新設されたビザで、より幅広い業務において外国人の労働が可能になります。

・「技能実習」ビザ

2020年10月末時点では約40万人以上で一番多い就労ビザになります。

・「特定活動46号」ビザ

2019年5月に法務省告示の一部が改正されてできました。インバウンド接客に最適なビザです。

・「技能」ビザ

技能ビザは、外国特有の、または特殊な分野に属する熟練した技能を必要とする業務に従事する専門職の外国人のビザですが、外国人が日本で調理師として働くために必要なビザも技能ビザになります。

 

Ⅲ就労系ビザの基本的な考え方と順番

上記したことを元に就労系ビザ基本的な考え方とその考え方の順番を書いてみます。

①外国人材に「どんな仕事をしてもらうか」を決める

②その仕事に合うビザは何のビザになるのか確認する

③そのビザの取得要件を調べてその外国人がその要件に合うのかどうか?を確認する

何度も言っていますが、就労系ビザは出入国在留管理局(入管局)で認められた仕事しかできません。ですので、外国人の場合は日本人のように気軽に「部署を変える」などということはできませんから「どんな仕事をしてもらうか」は非常に重要です。それに「どんな仕事をしてもらうか」が決まれば、ビザの種類が絞られてきます。

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②雇用したい外国人材はどこにいるか?によっても考えるべきことは違う

次に「雇用した人材はどこにいますか?」ということですが、このことを確認することもビザ申請上重要です。その外国人がどこにいる人か、今何をしている人か、今ビザをもっているのか、によって4パターンに大別して雇用のポイントと注意点を考えると比較的分かり易いです。

Ⅰパターン1:海外にいる人材を呼び寄せて雇用する場合

このパターンは、今海外の大学に在学中か海外で仕事をしている、日本の在留資格(ビザ)をもっていない外国人を日本にある会社(例えば、貴社)に呼び寄せて雇用するという場合です。

この場合は、一般的に日本で在留資格認定証明書の申請をして海外の現地日本大使館等でビザ(査証)を取得し、来日してもらいます。つまりは、貴社でビザ申請をして新規で外国人を雇用するという事になります。

この在留資格認定証明書」というのは、外国人が日本で行う活動が入国条件に合っているのかを出入国在留管理局(入管局)が事前に審査を行い、入国条件に合うと認められた場合に発行される証明書です。

外国人が、本国で日本の大使館等にビザの発給申請をするときに、この在留資格認定証明書を添付します。そのことで、在留資格にかかる上陸条件については入管局が事前調査を既に終了しているものとして扱われるので、ビザの発給がスムーズになります。

 

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パターン2:日本で勉強している留学生を雇用する場合

外国人留学生が日本で就職する場合は入社までに「留学」ビザから就労可能な在留資格(ビザ)に変更することが必要です。「就労できる在留資格」が取れなければ内定を出しても意味がありません。ここが一番の注意点です。

よくあるご相談は「内定を出したもののビザが取れなかった」というパターンです。就労系の在留資格(通称:ビザ)には就労制限があります。上記で何度かお話していますが、在留資格(ビザ)ごとにできる業務とできない業務があります。

「日本でできる活動(就労資格)が決まっています」とお伝えしていますが、このことを知らない会社の雇い主や外国人就労者は知らずに不法就労してしまうこともあるのです。

就労系ビザの代表格である「技術・人文知識・国際業務」ビザ取得の場合、一番のポイントは 職務内容と留学生の専攻内容に関連性があることです。 ですので、貴社で募集している職務内容と関連している専攻科目を履修している留学生の中から選考を行えば、高い確率でビザ取得が可能です。そのため「内定を出したもののビザが取れなかった」という問題が起こることもかなり少なくなります。

 

 

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 Ⅲパターン3:すでに日本で仕事をしていて就労系ビザをもっている外国人を雇用する場合

すでにビザをもっている外国人を採用する場合は特に注意すべきことがあります。「すでに就労ビザをもっている外国人だからビザ取得の手間が省けてよかった」と思われる雇用主の方は少なからずいらっしゃいます。

ですが、「すでにビザをもっている外国人材にこそ注意が必要」です。なぜなら、その外国人がもっている就労ビザは、以前の会社で取得した以前の会社での業務に合わせて取ったビザです。

つまりはその外国人がもっているビザは「以前の会社でする以前の業務」の就労ビザだから注意しなければならないのです。

就労系のビザをもっている外国人は「決められた仕事しかできない」という就労制限があるため注意が必要と上記しましたが、例えば、転職の面接にやってきた外国人が「就労ビザを持っています」といってもそのビザが「技術・人文知識・国際業務」のビザであれば、その外国人を飲食店の調理やホールで働かせることはできません。採用担当者がこのことを知らないと、知らないうちに違法な採用をしてしまうかもしれません。

ビザ(在留資格)はただ持っていれば良いというものではなく、現に従事している職種に合致した就労可能なビザを入管局(出入国在留管理庁)で許可してもらって、その仕事をする必要があります。ですから、別の会社で仕事していた外国人を中途採用した場合、その外国人が貴社で仕事できるかどうかは正確にはわからないということになります。

もし、転職してきた外国人が貴社の仕事に合うかどうかを確認したい時は、就労資格証明書交付申請を行い「就労資格証明書」を取得することをおすすめします。

 

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Ⅳパターン4:就労制限のない身分系のビザをもつ外国人を雇用する場合

身分系の在留資格(ビザ)とは、「日本人の配偶者等」「永住者」「永住者の配偶者等」「定住者」の在留資格のことです。これらの在留資格を持っている外国人は就労するにあたってなんの制限もありませんので自由に働けます。したがって新規に就労ビザを取得する必要はありません。

就労制限がないという事は、単純作業や肉体労働、レジや販売、工場の仕事でも制限なく雇用可能です。外国人を雇用する場合に雇用する側にとって一番採用しやすいのが身分系のビザを持つ外国人です。

身分系ビザを簡単にご説明致します。

「日本人の配偶者等」

日本人と結婚している外国人など。

「永住者」

日本の永住権を取った外国人。

「永住者の配偶者等」

永住者と結婚している外国人など。

「定住者」

日系人やその配偶者、「定住者」の実子、日本人や永住者の配偶者の実子(連れ子)、中国残留邦人やその親族など。

 

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3,初めての外国人雇用、何から始めたら良いですか:まとめ

外国人雇用は上記したように大まかに考えたとしても、様々な点から確認することが多いことが分かって頂いたでしょうか?

「外国人材にどんな仕事をしてもらうか」、そして、何の種類の「就労系ビザ」を取るかを考えることが大変重要です。そのことも分かって頂けたと思いますが、如何ですか?

また、雇用したい外国人材はどこにいるか?によっても注意して頂きたいことは違ってきます。そして、一番雇用し易いのは身分系ビザをもつ外国人です。

これら、このブログでお伝えしております内容は知っておかれるだけで、外国人の採用活動を進めるにあたり「外国人雇用」の考えの基礎になってくれるはずです。外国人雇用を始めるときは、今回の「初めて外国人を雇用する場合に特に考えなければならない点」を確認しながら採用活動の準備をしてみて下さい。

ですが、やはり「外国人雇用」は個別具体的な判断が必要な事です。気になることや不安がある場合はどうぞお気軽にお問い合わせください。

このブログが外国人雇用をお考えの会社様や日本でお仕事をしたい外国人の方お役に立てれば幸いです。

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外国人の雇用と就労ビザの情報発信します。

外国人雇用と就労ビザ申請を専門としている行政書士の秋山です。主に、外国人雇用、「技術・人文知識・国際業務」ビザ、「特定技能」ビザ、「技能実習」ビザ、「特定活動46号」ビザ「介護」ビザについてのご相談業務、書類作成、外国人受入れサポート、講師業務等をしています。このブログでは外国人の雇用と就労ビザの情報を分かりやすく発信していきます。

 

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初めての外国人雇用を考えている会社様、外国人を雇用中の会社様、日本で仕事をしたい外国人の方へ


少子高齢化で今後の労働人口の減少が避けられない状況にあり、企業の人手不足が常態化しています。また、日本の経済社会の活性化のため、専門的・技術的分野における優秀な人材を雇用する必要があります。

 

この「人材不足」と「優秀な人材雇用」いう課題のため、外国人の雇用を積極的に選択する企業は今後ますます増えてくるでしょう。

 

初めて外国人の受入をするという会社も多いと思います。また、すでに外国人を雇用しておられる会社もあると思いますが、「外国人の雇用」経験があっても、実は「外国人の雇用」についてよく理解していない会社もあります。外国人雇用の基本事項も理解しないままに外国人を採用して知らない間に「不法就労」させてしまった会社もあります。

 

そして、すでに日本で仕事をしている外国人の方でも、外国人雇用や各就労ビザのことをよくわからないまま雇用機会を逃す方や、申請が不許可になったりする人もいます。或いは就労ビザが取消しになったり、「不法就労」になってしまう人もいます。

 

このブログでは外国人の雇用を考えている雇用主の方や会社の人事ご担当者、そして日本での就職を考えている外国人の方へ「外国人の雇用と就労ビザ申請」についての情報発信させて頂きます。ブログを読んで下さった方のお役に立てれば嬉しいです。

 

ちなみに、最初に簡単にお伝えさせて頂きたいのですが、「就労ビザ」といっても実は正式名称ではありません。外国人が会社で仕事をする時に取得しなければならない「就労系の「在留資格」が一般的に「就労ビザ」と呼ばれています。

 

ですので、正式名称ではないのですが、外国人の方も日常的に使っており、また会社関係の方にも「就労ビザ」の方が通じやすい為、私もこのブログでは就労系の在留資格のことを「就労ビザ」と書かせて頂きます。

 

尚、「在留資格」と「ビザ」の違いについては別のページでお伝えいたします。

 

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1,外国人雇用や就労ビザ申請は複雑で手間がかかるし虚偽申請もある

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外国人の雇用は制度的にも複雑で、申請に関しても就労ビザによっては、ビザ申請の管轄する官庁である出入国在留管理庁だけではなく別の機関に問合せが必要になることも少なくありません。

 

例えば、

技能実習の建設業でビザ申請をする場合

➡外国人技能実習機構と入管局に申請。

・特定技能の介護職でビザ申請する場合

厚生労働省と入管局に問合せしながら入管局に申請。

 

就労ビザにもいろいろな就労ビザがあり、就労ビザ毎に取得要件、申請書類、可能な仕事の内容が違います。「就労ビザ」をもっていれば、どんな仕事でもできる、どこでも働けると思っている雇用主の方や外国人の方が、知らず知らずのうちに「不法就労」させていたり、「不法就労」となってしまうことがあるのです。

 

ポイント

 就労ビザにもいろいろな就労ビザがある

②ビザごとに取得要件や可能な仕事内容が違う

③「就労ビザ」をもっていてもどんな仕事でもできるわけではない

 

ビザ取得申請に関してもビザ申請に慣れていない人が手続すると、本来なら許可になるはずの申請でも、提出書類や説明の不足で不許可になってしまう事があります。

また、入管局のホームページにあるビザ申請の必要書類は「受理」してもらえる最低限の書類です。それらの書類だけではなく補強書類を付けなければならない場合も少なくありません。

それに、入管局に追加書類を出すように指示されることもありますが、その指示に対応できなければ不許可の可能性が高まります。追加書類に対しては提出期限が決まっているのでそれまでに追加書類を用意しなければなりませんが、その対処ができずに不許可になることもあります。

 

④ビザ取得申請は慣れていない人がすると本来許可になるはずのケースでも不許可になることもある

⑤入管局のホームページにあるビザ申請の必要書類は最低限の書類である

⑥入管局から追加書類を求められたらすぐに対応しないと不許可になる可能性は高い

 

そして一度不許可になってしまうと入管局に記録が残りその後の再申請等にも影響します。よく聞くのは、以前に留学や技能実習の申請で本人も知らないうちに(或いは知っている場合もある)海外の送り出し機関から入管局等に虚偽申請していて不許可になったというパターンです。数年後に別の申請をしたときにそれが虚偽申請だったということがわかり、在留許可が下りないということもあるのです。

 

⑦ビザ申請は一度不許可になってしまうとその記録は入管局に残り、のちのちの申請に影響する

 

 

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2,外国人雇用や就労ビザの相談は誰にすれば安心か?

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上記の内容で外国人雇用や就労ビザ申請が難しくて面倒で、もしかしたらちょっと怖いという印象を持たれたかもしれません。確かにその通りです。実は私も外国人雇用と就労ビザを専門にするつもりで行政書士登録をしましたが、この外国人関連の業務は大変だな、難しいな、すごく根気がいるな、それに怖いなと思いました。

 

初めは誰でもたいへんだと思う外国人雇用と就労ビザ申請なのですが、このブログをご覧になっておられる方は、外国人を雇用したい方や、就労ビザを取得したい外国人の方だと思います。ですから外国人を雇用したい方や日本で就職したい外国人の方は基本的なポイントを押さえておいて細かいところは外国人業務に詳しい専門家に相談しながら進めれば大丈夫です。必要以上に心配されなくても大丈夫です。

 

ただ、ここで言う「外国人関連業務に詳しい専門家」というのが、どんな人か?ということです。「外国人関連業務に詳しい専門家」というのは、就労系の在留資格申請をしたことがあり、また就労系の在留資格(通称:ビザ)の相談にのることができる行政書士のことです。

 

それでは、「行政書士」なら誰でもよいのか?という疑問も出てくるかもしれません。もちろん、行政書士なら誰でも良いわけではありません。行政書士の業務範囲はとても広いので、行政書士の全てがビザ(在留資格)申請業務を行っているわけではないからです。会社設立、建設業許可、相続・遺言などを分野分野とする行政書士事務所もあります。

 

外国人雇用に詳しくビザ(在留資格)申請業務ができる行政書士は特別の研修を受け、「申請取次行政書士」として登録されている人が多いです。申請取次行政書士」であれば、お客様に代わって入管局にビザ申請を行うことができますので、相談される場合は、申請取次行政書士であり、尚且つ就労系ビザ(在留資格)に強い行政書士が安心です。

 

ポイント

①「入管業務に詳しい専門家」は就労系の在留資格申請に強い行政書士

②申請取次行政書士として登録している、就労系の在留資格申請をしたことがある行政書士に相談することがおすすめ

 

すでに外国人を雇用している会社様なら、人材紹介会社、監理団体、登録支援機関はどうですか?という疑問があるかもしれません。人材紹介会社、監理団体、登録支援機関等も様々です。人材派遣・人材紹介会社にも専門分野がありますし、監理団体や登録支援機関にも取扱職種があったり、慣れている職種があります。

 

ですので、実際に人材紹介会社、監理団体、登録支援機関を通じて外国人材を受入れるときは、実績や取扱職種、希望する人材の国籍の実績があるかどうか、入社後のフォロー態勢等の確認もしてみて、就労ビザに詳しい担当者にアドバイスしてもらうようにして下さい。

 

外国人材を紹介、或いは支援を依頼するかどうかを見極めることは難しいかもしれませんが、見極めるためにも、そのヒントとなる外国人雇用のための基礎的なことだけでもおさえておいて頂きたいと思います。

 

外国人の方もご自分が取得したいビザのことは、できるだけ調べてわからないことを専門家に確認する等、積極的に情報収集して就職活動に臨んでください。

 

人材紹介会社、監理団体、登録支援機関等を通じて外国人材を受入れる場合、或いは外国人の方なら、それらの機関を通じて入社しようと思う場合は、外国人雇用や技能実習、特定技能についての基本事項だけでも確認して、制度のしくみ(体制)や入社以後の監理態勢、支援態勢について十分に説明を受けて理解してから契約をすすめて下さい。

 

③人材紹介会社、監理団体、登録支援機関等を通じて外国人材を受入れる場合は外国人雇用や技能実習、特定技能についての基本事項だけでも確認して、入社以後の支援体制についてよくよく確認する

 

 

3,外国人の雇用と就労ビザの情報発信オフィス:あとがき

 

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このブログは、外国人雇用や就労系の在留資格申請を専門にしている申請取次行政書士である秋山が、外国人の雇用や就労ビザ(「技術・人文知識・国際業務」ビザ、「特定技能」ビザ、「技能実習」ビザ、「特定活動46号」ビザ「介護」ビザ等)についてわかりやすくお伝えしていくブログです。

 

弊所が運営する「外国人雇用の就労ビザオフィス」ホームページには「就労ビザ」と「インバウンド」の2サイトがありますが、そちらで公開している内容よりも、更に分かりやすく書いていくつもりです。また、できるだけ具体的に、自分自身で体験したことや聞いたこと感じたこともお伝えできればと思っています。

 

「まったくゼロから外国人雇用を始める会社様」や「正しく外国人雇用を確認しておきたい雇用主様」、そして「日本で仕事がしたい外国人の方」に読んで頂きたく始めました。少しでもブログを読んで頂いた方のお役に立てれば嬉しいです。どうぞよろしくお願い致します。

 

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